○副議長(橋本静友君) 次に、岡本康宏君にお許しいたします。
〔岡本康宏君登壇〕
◆(岡本康宏君) おはようございます。お許しをいただきましたので、通告に従いまして、質問をさせていただきます。
昨年の2月議会に我が党の梅村邦子議員から質問がありました住民基本台帳の閲覧の件は、皆様も御存じかと思います。そのときの議論で市側の答弁は、住民基本台帳はだれでも見る権利があるので、閲覧することができるという答弁でした。
ところが、その直後に市内にある区役所で住民基本台帳のリストを閲覧した男が母子家庭を選び、その家庭にアタックするという凶悪な事件が起きました。
名古屋市におきましては、住民基本台帳の閲覧リストについて、17年5月に、今までの地番順を氏名の50音順に並びかえ、閲覧の事前審査も導入し、対応したことは、国の法律改正よりも早く、その事件後、各自治体にて条例などさまざまな対応がなされました。この件でもわかるように、事件が起きてから対応するのは当たり前ですが、事件が起きる前にもこのような実態を予測して熊本市は対応をしていたそうです。
確かに国の法律ではあるかもしれませんが、この法律に基づいて各市の対応や対策を考えていくべきではないかと私は思っています。住民基本台帳法は、個人情報の保護という世論を受け、今国会において住民基本台帳法の一部改正が行われたことは皆様も新聞報道などでよく御存じかと思います。
ところが、近年、住民基本台帳の閲覧の問題だけではなく、各種証明書の取得時における問題もさまざま起こっています。数点例に出しますと、本年2月、この名古屋市におきましても、ある業者が偽造の委任状を作成し、他人の戸籍謄本などを不正に入手して調査報告をしていたという事件がありました。この業者は、数百円の手数料で不正に手に入れた戸籍謄本をもとに書類を作成し、1件につき10数万円の報酬を得ていたという事件であります。供述によりますと、10数年前から数千件の戸籍謄本や住民票などの個人情報を集め、違法な手段で結婚や雇用調査まで継続的に請け負っていたものです。
他人に成り済まして入手していた各種証明書が犯罪に使われている事件は全国的に相次ぎ、今月も千葉市内で、同様に偽造の委任状を使って住民票を不正に取得し銀行の口座を開設したとして金融ブローカーが逮捕された事件もありました。
国レベルでも戸籍謄本や抄本の請求者や事由を限定し、窓口での本人確認を市町村に義務づけるなどの内容で、戸籍法の改正の動きが進んでおります。
しかし、現状、名古屋市では、委任状は本人の直筆が慣例とされていますが、区役所の職員は、法律の条文では何人でも交付を請求することができるとあるので、窓口に訪れた代理人の身分確認は行っていますが、その委任状が本人の意思かどうかの確認は難しいのが現状だと考えておられるそうです。
そこで、私は、本市の戸籍謄本など各証明書交付申請の数を調査いたしました。その結果、本市におきましてさまざまなことがわかりました。委任状を添付して申請があった戸籍謄本など各種証明書の交付件数は、平成17年度で約8,660件です。本当に全員が委任をして第三者にお願いしたのでしょうか。本人の知らないうちに戸籍謄本が他人の手に渡っているのではないでしょうか。聞くところによりますと、窓口にて委任状がないから証明書は出せませんよと申請者に伝えたら、何分もしないうちに委任状を提出してきたということも聞きました。
謄本申請により個人のプライバシーが侵されていることは、個人情報保護が求められている今現在、重大な問題だと私は考えます。戸籍謄本の交付制度につきまして、現在では請求理由の審査がかなり厳格に運用されておりますが、個人情報保護の視点からも、さらに厳格な運用を確保することにより、適切に対応することが可能であると考えられます。これらのことは国の検討報告書にも記載されていました。
昨年の母子家庭の事件でも、本年の戸籍謄本不正入手の事件でも、いずれも事件が起きてからの対応をするのではなく、我々としては、これらの事件を未然に防ぐためにも、事前にできるだけの予防をしていくことが大切だと考えています。
現在、戸籍の届け出における本人確認制度の概要を少し申し上げますと、第三者による虚偽の届け出を抑制し、個人情報を保護するとともに、戸籍の正確性を確保するために、戸籍の届け出の際には本人確認を行うとしています。対象は、婚姻届、離婚届、養子縁組届、養子離縁届であり、届け出人の本人確認ができなかった場合に、届け出受理後に届け出人あてに名古屋市としては確認通知を送付することになっています。
名古屋市の平成16年度を例にとりますと、婚姻届、離婚届、養子縁組届、養子離縁届を合わせて、届け出件数2万301件、届け出人数4万807人、このうちに確認通知件数は、届け出人数の約42%に当たります1万7205件の通知を送付しています。
また、住民異動届における本人確認制度の概要を申し上げますと、第三者による虚偽の届け出を抑制し、個人情報の保護をするとともに、住民基本台帳の正確性を確保することを目的として、届け出の際にはこれも本人確認を行うとしています。対象は転入届、転出届、転居届であり、異動者の本人確認ができなかった場合に、これも届け出受理後に届け出人あてに確認通知を送付することになっています。17年度を例にとりますと、届け出件数は20万8944件、そのうち通知件数は約17.5%の3万6682件でありまして、それらに通知をしているようです。
以上のことを踏まえまして、先ほど申し上げましたように、各証明書の交付申請があった場合は、婚姻届や転入・転出の住民異動届と同じように確認通知を送付してはいかがかと思います。
そこで、市民経済局長にお尋ねいたします。
偽造委任状による不正入手を防ぐため、委任状を添付した各種証明書の交付申請があった場合は、委任者あてに確認通知を送る扱いとしてはどうでしょうか。確かに、第三者に委任した場合は、なぜこんな通知をと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今、この個人情報に絡んでさまざまな事件が発生している状況ですので、理解を求められると私は思っていますし、不正に入手することに歯どめがかかるのではないかと思います。
確かに国の法律はあるかもしれません。それについては否定しませんが、ぜひ、何らかの対応を私はしていただきたく、熊本市のように全国初めて営利目的の閲覧は認めないとする関係条例みたいに、名古屋市が、戸籍謄本などの各種証明書交付についての初めての対応をとっていただき、全国に発信していただきたいと思っております。ぜひ、前向きな答弁をお願いして、以上で私の第1回目の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
◎市民経済局長(杉浦雅樹君) 戸籍謄本、住民票など各種証明書の不正入手につきましてお尋ねをいただきました。
本市におきましては、個人情報保護法の施行や市民の個人情報保護に対する関心の高まりの中で、成り済ましによります住民票の写しや戸籍謄本等の証明書の交付申請を防止し、市民の個人情報の保護を図りますために、本年1月11日から証明書の交付申請時に本人確認を実施いたしておるところでございます。委任状が添付されました交付申請の場合におきましても、窓口に来られた受任者の本人確認を実施することによりまして、受任者の住所、氏名を確認できますため、虚偽の委任状を使用した交付申請を防ぐことができ、委任状の偽造に対しましても抑止効果があるものと認識いたしております。
今後におきましても、委任状が添付されました証明書の交付申請の際には、議員御指摘のように、今まで以上に個人情報の保護に配慮してまいらねばならないと考えているところでございます。
現在、戸籍法の改正準備が国におきまして進められておりまして、こうした法律の改正動向を見守りつつ、また、他都市の取り組みなどを参考にいたしながら、委任状が添付されました申請の際の取り扱いにつきまして検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
◆(岡本康宏君) 御答弁ありがとうございました。
委任状が添付された申請について、他都市の取り組みを参考にしながら検討してくださると御答弁いただきましたが、私は、検討していただくことは一日も早くしていただきたいんですが、他都市の取り組み、そんなことはどうでもいいんですね。名古屋市独自の対策をやってほしいと、改めてこれは市長にも言っておきます。
市長、市民経済局長に、名古屋市独自のを一日も早くつくっていただきたいと思っておりますので、改めて強くこれは要望させていただきたいと思います。
今回は、第三者の委任状の件で質問をさせていただきましたが、一番いいのは、本人が各証明書をとりに行くことではあると思っております。
現在、全国でオフィス街など便利のいい場所で、便利のいい郵便局で各証明書を本人のみが取得できる制度があるそうです。政令指定都市でいきますと、さいたま市や北九州市、福岡市で一部始まっているそうなんですね。さまざまな理由でやっぱり区役所に行くことができない方も見えますので、それは便利にするところは便利にしていただいて、もちろん委任状がそれでゼロになるとは申しませんが、このように不正入手があるということが現実に起きていますので、今後も不正入手がないように、今以上にきめ細かな配慮を一日も早くしていただき、先ほども申し上げましたとおり、便利のよい郵便局で本人が取得できるようにしていただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
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